明治、大正から唱和の初期までは、日本髪姿の女性も居たようですが、近年見られるのは、京都などの花街の女性に限られています。日本全国にある花街では、いろいろな呼び名があるようですが、やはり京都の舞妓が「日本髪」ということでは一番でしょう。
芸者、起用とでは芸妓の場合は鬘になるようですが、舞妓は地毛で結い上げています。花簪にも、また髪型にも違いがあるそうですし、振袖には華やかな日本髪と花簪がなにより似合うのはもちろんのことです。
近年は、旅行客に舞妓の装いをさせてくれる業者も増えて、舞妓風の日本髪を地毛に鬘をあわせて、結い上げてもくれるそうです。そして、舞妓の振袖で街を歩くこともできるのだとか。楽しいでしょうね。
京都へ行かなくとも、自分の住む街でも振袖に日本髪のスタイルはできるでしょうが、最近は日本髪をきちんと結える美容師は少なくなっています。和服を着ない生活が長く、着付けが自分ではできない、という民族衣装のようになりつつあるのですから、髪型も変化していて当たり前でしょう。
それでも、成人式や大学卒業の謝恩会などでは、振袖姿も見られますが、それらしいヘアアレンジはしていても、日本髪は見かけません。
今の時代の女性達には、日本髪よりも華やかにアレンジされたヘアスタイルの方が、より似合うのは確かです。簪よりも煌びやかな飾りを施した花のコサージュなどのほうが、今風の振袖には似合うからです。