私たちは四季の恵や移ろいを感じながら暮らしています。今日では、傘は雨露を防ぐ道具以上に、機能性やデザイン性も求められるようになってきました。そんな傘の発展は私たちにひとつの問いを投げかけました。”着物にビニール傘”どちらも日本独自の素晴らしい産物。しかし、そこに「粋」は在りますか?
「雨の日も、晴れの日も粋に品よく、恰好よく」そんな傘を創りたい。これが私たち北斎グラフィックの原点です。いつの時代でも新鮮で、今も世界中を魅了し続ける北斎の浮世絵。北斎グラフィックはそんな偉大な先人「北斎」の如く、オリジナルのグラフィックデザインをまとい、いつの時代でも新鮮で世界を魅了する傘を創ります。
日本人が世界で最も傘を買う人種ということをご存知でしょうか。日本の年間傘消費量は約一億三千万本と言われており、世界でもトップを誇ります。年間降水日数は世界十三位であるにも関わらず、一人あたりの所有数は3.3本。世界平均2.4本と比較すると、日本人の所有数が突出していることがわかります。
日本において、和傘は江戸時代の頃に広く知れ渡った物とされています。特に、歌舞伎が流行した時期に「助六」という演目で使用した番傘が粋だと評判になったことから、「傘をさす姿」がひとつのお洒落として確立しました。雨が降ったら傘をさす、という日本人にとってひどく当たり前の行為も、そこには脈々と受け継がれる日本人の文化と意識が隠れているのです。
浮世絵の第一人者、北斎の版画で使用されている一見黒く見えるふち。実は、これは墨の黒ではなく絶妙な藍色で、通称北斎ブルーと呼ばれています。
この北斎ブルーは、溶く水の量を変えれば黒と見間違う程の濃い紺青から、うつくしい空の色や水の色まで様々な青をだすことができたといいます。これは平面的な浮世絵に独特の立体感を生み出し、北斎ならではの大胆な構図に一層おもしろみを出す役割を果たしました。「富嶽三十六景」などを代表作とする藍色の濃淡のみで表現する技法は、そのうつくしさからゴッホを始めとする様々な海外の画家達にも多大な影響を与え、Hokusai and Blue Revolution(青の革命)、と呼ばれた程でした。
その粋で大胆な構図とうつくしい色遣いから、今なお世界を魅了し続ける北斎の浮世絵。北斎グラフィックはそんな偉大な先人「北斎」の魂を受け継ぎ、「粋に鮮やかに、世界を魅了する」そんな傘を世に送り出していきます。