なぜ猫は神様として崇められるようになったのか?
猫は元々、日本に生息しておらず中国からの輸入により日本に住み着くようになった動物です。 農耕や養蚕が盛んだった日本は、穀物や蚕をネズミに荒らされる事に頭を抱えていました。輸入された猫は、害獣でもあるネズミを追っ払ってくれるため、とても重宝されていました。しかし沢山の猫を連れてくることはできなかったのでしょう。しばらくの間は現在の犬のように紐でつながれて飼われていたといわれています。 今のように猫をその辺で見かける事ができなかった時代、ネズミから守るためのお札に猫を用いたり、難しい養蚕の願掛けとして猫を神様として崇めるようになったと考えられます。 地域によっては猫の行動や特徴、その地域で採れる生産物を守ってくれる猫になぞらえて猫神と崇めていたり、猫又など妖怪に例え、祀っている所もあります。猫神神社
猫の絵馬
出典:ワシモ(WaShimo)様
17代島津義弘が文禄・慶長の役の戦いで、正確な時間を測るため朝鮮半島に7匹の猫を連れて行ったという逸話があります。光の多さで猫の瞳孔の開き方が変わるので、瞳孔の開き方で時間を予測していたようです。連れて行った7匹のうち、5匹は死んでしまい、日本に連れ帰ってこれた2匹の猫の魂を時の神様として祀ったのが猫神神社です。6月10日の記念日には例祭が行われ、猫の長寿祈願や供養祭などが行われており、愛猫のために参拝し、猫の絵馬に愛猫の長寿や健康などの願い事を書いていく人が多いようです。近くには猫屋という名前の猫グッズを扱うお土産屋さんもあります。鹿児島市吉野町9700-1
アクセス JR鹿児島中央駅より車で10分から15分八海山尊神社
八海山尊神社は、いつでも猫の絵柄の入った護符をもらう事ができる神社です。昔の人々からネズミ除けとして崇められていた猫の護符ですが、時代が変わるにつれ出番はなくなっていました。しかし、最近はペットとしての猫の地位が確立され、今では日本中の愛猫家がネズミ除けの護符を求めてこの神社に来るようになりました。他にもネズミ除けの護符をもらえる神社はありますが年に1度の例祭(5月)の時のみの授与と限定されている所が多いようです。絵柄は黒ぶちの猫や黒猫が多く雰囲気が異なるため、護符集めをする人もいます。新潟県南魚沼市大崎3746
アクセス 浦佐駅から7km 路線バス(六日町~浦佐駅線)停留所【龍谷寺前】より徒歩約20分 大和スマートインターチェンジから6km・車で10分田代島の『猫神社』
田代島の猫神社は日本の中でも一番有名な猫に縁のある神社ではないでしょうか。宮城県に属していますが、周りは海に囲まれた小島です。 ここからは、田代島に伝わる伝説なのですが、土地柄、漁業が盛んで、漁師たちはその日の天候や漁の良し悪しを猫の行動から予測していました。ある日、漁で使う網をつないでおくための岩を削っていたところ、崩していた岩が1匹の猫にあたり死んでしまったのです。かわいそうに、と思った総元締めが、猫をねんごろと名付け葬ったのが今の猫神社といわれています。 漁の良し悪しいがいにも他の地域と同じく、蚕のネズミ除けとしても猫が大事に飼われており、魚を多く扱っていた事から自然と猫が多く集まってきたともいわれています。そんな伝説もあり、田代島には100匹を超える猫が暮らしています。 2011年の東北大震災で神社や漁船が被災し、全国の愛猫家から多くの支援金が届きました。海外からの注目度も高く、観光客が多く訪れる場所です。宮城県石巻市田代浜字仁斗田
アクセス 定期船発着所まで JR石巻駅より路線バスで約10分の「網地島ライン」下車 JR石巻駅よりタクシーで約5分 三陸道石巻港IC・石巻河南ICから約20分 定期船発着所~ 田代島定期船発着所から定期船で約40分の仁斗田港下船 仁斗田港から徒歩で約20分 ※2019年3月にはSeeCatと呼ばれる高速船が運航 JR石巻駅から徒歩15分の所に石巻中央発着所ができ、そこからSeeCatに乗船可能