浴衣を着ると柄や帯に目が言ってしまいがちですが、「オシャレは足元から」と言われるのは浴衣だっておんなじです! みなさん、突然になりますが「下駄」と「草履」、そして 「雪駄」の違いはわかりますでしょうか? 名前は聞いたことがあれど、なかなか違いについて説明出来る方はいないのではないのでしょうか。 特に下駄と草履については名前もメジャーではありますが、メンズ浴衣の定番として「雪駄」というものもあるのです。今回は浴衣の履物についてご説明しながら、 粋な履物「雪駄」の魅力を紐解いていこうと思います。
「下駄」と「草履」と「雪駄」の違いとは?
下駄は木製の台に3つの穴を開け、鼻緒をすげた履物の総称です。一般的には裏に二本の歯があり、カランコロン…と音を鳴らすような足音がする のは下駄になります。 下駄は素足で履かれるように、近所へのお出かけ用など普段使いとして扱われてきました。 近年では合皮や革、布地やビニールなど様々な素材が取り扱われ、非常に素材や柄のバリエーションの多い履物です。
一方で草履は歯がなく底が平らになっており、鼻緒をすげてある履物です。いわゆる洋靴の「ペタンコ」の靴になります。 古来のものは藁やい草、竹革を編んだもので作られていますが、こちらも近年ではコルクやゴムなどの素材で作られています。 カジュアルな履物である下駄に比べ、草履(とくに厚めの草履)はおしゃれをする時やフォーマルな場での履物として利用されてきています。 正装を求めるような場所では草履を履くのが一般的とされているのです。 さて、ここまで「下駄」「草履」についての違いは理解できましたでしょうか? ここでもう一つ。「雪駄」についてご説明したいと思います。 以外にも雪駄は下駄の分類ではなく、草履の分類にあたります。草履の一種とされるように、雪駄も歯がなく、底が平らな形状になっている履物です。一般的な 草履と違うのは、底に革で出来た底を貼り付けている事と、重ね芯と呼ばれる革が表裏の間に挟まっている事、そして踵に金具が付いている点です。 雪駄は男性の履物として江戸時代に広く普及され、力士や神主などの特定の行事での履物でもありました。雪駄には男性が和服に合わせる履物としてはピッタリ な「粋」があるのです。雪駄が粋とされる理由
先に述べたように、雪駄には踵部分に金具がついています。この部分が歩く時に地面にあたり、「チャラ」と音がなるのです。「チャッ、チャッ、 チャッ」という下駄とは違う心地よい金属音が、男性らしい粋を感じさせます!江戸時代ではこのチャラ、チャラ、という音が勇み肌の江戸前の男性の間で流行り、 広まっていったと言われています。 また、雪駄の特徴として底に革が使用され、金具が付けられている事で名前どおり雨や雪の際に濡れにくく、滑りにくい作 りになっています。 また 重ね芯と呼ばれる革が間に挟まっており、湿気を通しにくいために蒸れにくいという利点があります。 革が使用されているた め非常に丈夫に作られており、夏の夜でも蒸れにくいのでイベントにもピッタリです! 底が高くないため、歩きやすく疲れにくいといった普段使いにも便利な ので、履きなれない方にもおすすめです。
雪駄の「粋」な履き方
和靴を履いていないとどんなに履きやすいと言われても靴ずれを起こしてしまったり、スニーカーと比べると歩きづらさを感じてしまうものです。 せっかくの和服、オシャレに着こなすための履き方をご説明致します! まず一つ目は、「かかとを思いっきり出して履く」事です。これは下駄にも共通する点ですが、かかとを出すことで鼻緒の部分の足の指の間に余裕が出来、靴ずれが起きにくくなります。 また、重心が後ろに傾くので、背筋が立ちやすく、歩き姿が真っ直ぐに見えます。 もちろん、踵を地面につけるとだらしなく見えてしまうので、地面につかない程度に出してみて下さい! 二つ目は、「引きずるように歩かない」事です。チャッ、チャッ、という音が粋とされたように、ビーチサンダルのようにペタペタと歩いたり、引きずってジャー、ジャー、という音を鳴らすのは「野暮」とされています。 ちょっと背伸びをして、踵を浮かせるように歩いてみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?浴衣や着物の定番、男性の履物の「雪駄」の魅力について紹介してみました!サッカー選手の本田選手が私服に雪駄を着こなしていた事から、雪駄を履く人も増えています。丈夫で歩くやすく、男性ならではのチャッチャッという音が心地いい雪駄。浴衣のお供に選んでみてはいかがでしょうか。hiyoriでは男性用の浴衣も無地のものから柄物まで、お好みに合わせた浴衣を多数取り揃えています!上から下まで和装をオシャレに着こなして、恋人や友人に、他とは違う、粋な浴衣姿を見せてみませんか?