こんなにあるの?
帯といえば、着物や浴衣を纏った際に腰の上に巻くものを誰もがイメージするでしょう。しかし歴史を辿ると道具を挿す用途でも使われていました。侍が日本刀を帯に挿すのを、時代劇で見たことがあるのではないでしょうか。この帯の歴史から、「帯びる」もっとも身体の近くに置く、ここから携帯するという言葉にも「帯」という感じが持ちいられています。「帯びる」から「飾る」へ時代とともに変化し、トータルコーディネートのアクセントとして様々な模様が与えられ、鑑賞用となることもあります。そんな長く深い歴史を持つ帯ですが、夏に向けて浴衣が欲しい、どんな帯を選んだらいいのだろうと思っている方へ、浴衣を着る時には必ず必要になる帯の種類をご紹介します。
袋帯
留袖・訪問着・振袖合わせる袋帯、幅も長さも一番長い帯です。こちらはお祝いの席、例えば結婚式の留袖、成人式の振袖でよく使用されます。喜びが重なって続きますように、という意味が込められている二重太鼓や華やかな席を飾る飾り結びをするので、長めに作られています。
名古屋帯
小紋・紬に合わせる名古屋帯、「普段着」と呼ばれる着物に合わせられることが多い帯です。袋帯と半幅帯の中間の幅で長さは一番短いのが特徴です。普段着の帯だから簡単に結びたい!ということによって袋帯よりも軽く一番結びやすいとされています。
半幅帯
小紋・紬・浴衣で合わせる半幅帯、幅はダントツで狭いものの長さは袋帯の次に長いのが特徴。実はオールシーズン使える帯、一番活躍するかもしれない帯です!近年はデザインも多様化しており、カジュアルなシーンにも使用されます。華やかな結びにも対応できるように長めに作られるようになりました。
カジュアルな着物から浴衣までいろいろ使える半幅帯!浴衣をはじめとしたカジュアルシーンでよく見かける半幅帯をご紹介します。
小袋帯
小袋帯は袋状になっており2枚の生地の端を縫い合わせて作られています。表と裏の柄行きが異なるのでどちらを表にしてもOKという一石二鳥の帯です。こちらは浴衣だけでなく、着物でも使えるので1枚は持っておきたい!という帯かもしれません!
単衣帯
こちらは浴衣シーンに一番多く使われている帯です。小袋帯に比べて約半分の薄さということもあり、軽やかな装いに使われます。デザインも豊富でラメ加工されていたり裏地を出してアレンジをしたりとトータルコーディネートを楽しむ方も多くなってきています!
作り帯
こちらは「いざ着ようと思っても帯が結べない」「運転もするから帯崩れが怖い」「子供と一緒なので外出先でほどけないか不安」こんなお悩みを一発解決する帯です。胴に巻きつける部分と後ろに差し込む部分が分かれており、誰でも簡単に綺麗に魅せることができます。帯は固定されているので型崩れの心配もなし!最近はリボン以外の作り帯もよく見かけるようになりました。
夏祭りや花火大会、浴衣を着るシーズンになりました。華やかな浴衣を一段と美しく、粋に魅せてくれるものこそ帯。色や素材、模様によって魅せ方は様々です。浴衣との合わせ方によっては無数ものコーディネートができると思います。今回はほんの一部の紹介ですが、この夏皆さんが浴衣を着るときに手にとった帯が主役を引き立てる一枚になることを心から望んでいます。またこの夏周りに差をつけるコーディネートで遊びごごろを、そんな時にも是非帯を選んでみてください!