浴衣で出かけるときはどうしても浴衣や帯に目がいくもの。コーディネイトの主役はやっぱり浴衣ですよね。 でも、その他の小物も全体のコーディネイトをまとめるのにとても大事です。特に「下駄」をどのような素材、色柄のものを選ぶかは重要です。 「下駄は足に履くもので下の方だし、あまり目立たないから何でもいいや!」と思っていませんか? 足の先まで気を使ってこそ完璧な浴衣コーディネイトができるというもの! 今回は下駄とはそもそもどのようなものなのか、どのように下駄をコーディネイトに取り入れたら良いかをご紹介します。
下駄ってどんなもの?
「下駄」って言葉はよく聞きますが、具体的にどのようなものか説明できますか? 下駄とは木製の台(足を置く部分)に3箇所穴を開け、そこに鼻緒を通して作られた日本の伝統的な履物です。 木製の台の裏に2つの歯が付いているものが一般的ですが、現代では様々なデザインのものが登場しているため、必ずしも2枚歯とは限りません。 木製の鼻緒の付いた履物であれば「下駄」と呼んでいいのではないでしょうか。 他にも「草履」「わらじ」「雪駄」と言った履物の名前をよく耳にします。 形はどれも似ていますが、使用している素材や用途がそれぞれ異なります。 「下駄」は一般的に普段着と合わせて使用されます。浴衣は夏の普段着ですのでみんな下駄を履くのですね。 下駄が一般庶民の間で広がりを見せたのは鎌倉時代の頃といわれています。 その昔は道路が十分に補正されておらず、雨が降って道がぬかるむと草履や雪駄のような高さのない履物では足が泥まみれになってしまいます。 しかし下駄のように歯がついており、台が地面から遠いと泥が足につくこともなく、ぬかるみに足が埋もれてしますこともなかったためとても重宝したといいます。 小さい頃、「あした天気になーれっ!」と靴を飛ばして天気占いをした人も多いと思いますが、あの占いは実は下駄で行ったのが最初でした。 ちなみに、表向きならば晴れ、横向きなら曇り、裏向きなら雨と言われています。
下駄の種類
一口に「下駄」といってもその中にいくつか種類があります。特徴的なものをいくつか紹介します。 はじめは「ぽっくり下駄」です。これは目にしり、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。 「花魁や舞妓さんが履いている分厚い下駄」というとイメージしやすいかもしれません。 もとは幼い女の子用の履物でかかとに鈴をつけた可愛らしいものもあります。 花魁や舞妓さんが履くぽっくり下駄は華やかな装飾や豪華な金彩をあしらったものも多かったそうです。 いくつか説がありますが「ぽっくり」とは歩いたときの音を表しているといわれています。 次は「一本歯下駄」です。別名「天狗下駄」ともいわれています。 先程もお話ししましたが、一般的な下駄は2本の歯がついているのに対し、「一本歯下駄」はその名の通り一枚しか歯がありません。 修行中の僧侶たちが山道を歩く際にこのアンバランスな下駄を履き、足腰を鍛えたといわれています。 芸人たちが曲芸を披露する際に履くこともありました。
浴衣×下駄のコーディネイト
現代では様々な種類デザインの下駄が登場しており、どれを選ぼうか迷ってしまいます。 もちろんコーディネイトにこれといったルールはないので自分の好きなように組み合わせることができますが、ここでは浴衣に合う下駄の選び方をいくつかご紹介します。 まずは台の色。 台は主に木製のもの、特に桐素材のものが多いです。 生成りのような明るい色のもの、深い焦げ茶色のものが一般的です。 淡いピンクや白地で柄も可愛らしい浴衣ならば下駄は明るい色のものを選んだ方が相性がいいでしょう。 反対に黒や紺など濃い地色の浴衣は濃い色の下駄を合わせれば大人っぽく、淡い色の下駄を合わせれば爽やかさを演出することができます。 下駄の台に彫りで柄を描いたものもあり、おしゃれに差をつけることができます。 下駄コーディネイトで一番大事なのが鼻緒の色。 地色に合わせるのではなく、柄の中に入っている色と合わせると印象的です。 花柄の浴衣ならその花の色と同じ鼻緒の下駄を選びましょう。 多色使いの浴衣なら中でも一番印象的な色を選ぶと下駄にも目がいくのでオススメです。 あまり多くの色を柄に使っていない浴衣ならさし色として全く違う色の鼻緒の下駄を選ぶのもありです。 ちょっと色を選ぶのが難しいですが、おしゃれ感を演出できます。 下駄の種類やコーディネイトの仕方を知ると選ぶのが楽しくなりますね! ぜひ下駄コーディネイトと参考に浴衣おしゃれを楽しんでください!