珊瑚とは
珊瑚は真珠などと同じく、鉱物ではなく、動物による宝石です。現在最も馴染みが深く、珊瑚と聞いて思い浮かべるものはサンゴ礁を作る「造礁サンゴ」と呼ばれるものでしょう。宝石として用いられるものは、「宝石サンゴ」と呼ばれる種類のもので、深海に生息し、硬い骨格を持つことが特徴です。種類によって「ベニサンゴ」「モモイロサンゴ」「ボケサンゴ」「シロサンゴ」といった種類に分けられます。それぞれに色や風合いがことなり、地域によっても愛される種類が異なっています。
日本の珊瑚の歴史
古くから「金銀珊瑚に綾錦」と言われ、桃太郎が鬼ヶ島より持ち帰った宝物にもその名を残し、七福神の船にも積まれている絵が思い浮かぶように、日本では馴染み深い宝石です。日本で最古の珊瑚は正倉院に収められているものであると言われ、珊瑚のビーズ、珊瑚玉とともに珊瑚の原木も収められています。以降、珊瑚の記録は途絶えますが、江戸時代の中頃に土佐沖の深海で珊瑚が発見されて依頼、日本の伝統産業として育ちました。今では世界中から日本の宝石として知られています。
取り扱いの注意
珊瑚は石灰質でできています。そのため、酸性のものによって侵食されます。汗は弱酸性であるために、ご利用のあとは柔らかい布などで軽く拭いてから収納されることをおすすめします。また、熱にも弱いために、保存は直射日光の当たらず、涼しい場所が良いでしょう。