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穏やかな光沢と手触りの良さが魅力のシルバー。
装飾品や高級食器などにも使われる、最も身近な貴金属だといえるでしょう。特にシルバーアクセサリーは、男女を問わず人気のアイテムです。
しまいこんでいたシルバーアクセサリーが変色していて驚いた、という経験をした人も多いのではないでしょうか。
シルバーは毎日身に着けていると、衣服などで自然に研磨されて変色しないものですが、放っておくと表面が黒くなったりくすんで輝きを失ったりしてしまいます。ほとんどの場合、適切なお手入れをすればすぐにもとの輝きを取り戻すことができます。 いわゆる「裏技」と呼ばれるホームケアで、せっかくのシルバーが傷んでしまうこともあります。
専用の用具や薬剤を使い、確実かつ安全に手入れをしたいものです。 一言にシルバーアクセサリーといっても、繊細なジュエリーから燻し加工を施したハードなメンズラインまで種類は様々。それぞれに適したケアの方法があります。 シルバーは古くは紀元前のものが現存するほど、長く輝き続ける貴金属です。お手元のシルバーアクセサリーを一生の宝物にするための、正しいお手入れ方法を紹介します。
シルバーをクロスで磨いて黒ずみ、汚れ、傷もピカピカに!
シルバーのお手入れで最も簡単なのが、専用のクロスで磨く方法です。
まずは水洗いや乾拭きで表面の汚れを落とします。触ると跡がつく油膜があるときには、中性洗剤で洗います。洗浄の後、柔らかい布で水気をしっかりとふき取ります。化粧品や皮脂などでくすんでいる場合、こうした簡単な洗浄だけで輝きが戻ることもあります。 次にクロスで丁寧に磨きます。
専用のクロスの場合、微細な研磨剤が含まれているため表面を傷つけずに小傷や黒ずみだけを削り取ることができます。
クロスだけで黒ずみが取れない場合や、傷がある場合、シルバー用のポリッシュ(研磨剤)を使用します。
貴金属用では、特にウィノールという製品が有名です。ウィノールとクロスをセットにした商品も販売中です。ウィノールをごく少量つけて気になる部分を丁寧に磨けば、細かな傷ならば目立たなくなるでしょう。局所的に光りすぎるようならば、もう一度全体をクロスで磨きます。
なお、シルバーアクセサリーに天然石などがついている場合、水や洗剤、研磨剤で石を傷めてしまうことがあります。シルバー部分のみをクロスで磨くようにしてください。 重曹や歯磨き粉を研磨剤に使う、という裏技もありますが、重曹の粒子は柔らかくごく薄い黒ずみにしか使いませんし、歯磨き粉は硬すぎて傷の元です。 磨き跡や塩化の心配もありますので、専用のケア用品をお薦めします。
黒ずみがひどい時は、シルバー洗浄液で新品同様の輝きを!
黒ずみがひどい時、チェーンや複雑な形状のアクセサリーは、黒ずみの原因である硫化膜を磨き取るのではなく、溶かして落とします。 銀製品専用の洗浄液(クリーナー)ならば、簡単に輝きを取り戻せます。 これが2年間で真っ黒になったシルバーのネックレスです。 アクセサリー全体がつかる容器にアクセサリーとクリーナー液を入れ15秒程度浸します。写真はクリーナー液に入れて5秒程度ですが、早くもほとんど色が落ちているのがわかると思います。
クリーナーは強力な薬剤ですから、必ずビニール手袋を着用し、ピンセットを用いて作業をしてください。真珠や天然石など有機性、多孔質の石がついているアクセサリーには使用できません。 大切なシルバーアクセサリーを長持ちさせるためには、銀製品専用のケア用品を使いましょう。
いぶし加工が施されたシルバーのお手入れは要注意!
メンズラインのシルバーアクセサリーでは、部分的に黒い燻し加工をしたものが多く見られます。いぶし加工はアクセサリーに立体感と陰影を与え、使い込んだ感じを出してくれるため、ハードな印象のシルバーアクセサリーにはなくてはならない技法です。
このいぶし加工の黒さは硫化によるもの。あらかじめ硫化反応で黒くした銀の必要な部分を磨き、立体感を出すのです。 いぶし加工の硫化膜は決して厚いものではなく、黒ずみ取りのホームケアで簡単に取れてしまいます。クリーナー液に浸す方法だと硫化膜がなくなり、ピカピカになってしまうので気をつけましょう。 いぶし加工されたアクセサリーのお手入れは、全体の汚れを落とした後、銀色に輝く部分をクロスで丁寧に磨くだけで十分です。
シルバーアクセサリーの黒ずみや変色の原因と予防策
シルバーアクセサリーの黒ずみは硫化が主な原因。
銀が空気中の硫黄と反応して表面に硫化銀の皮膜ができてしまうのです。また塩素と反応する塩化で黒ずむこともあります。いずれも鉄が錆びる酸化と混同されることがありますが、銀は通常の環境では酸化しません。 銀の硫化や塩化は、日常生活のちょっとしたことで起こりがちです。
例えば硫黄分の強い温泉にシルバーを持ち込むと、真っ黒に変色してしまいます。硫黄を含む入浴剤でも同様ですので気をつけましょう。他にもパーマ液やゴム系接着剤、汗に含まれる硫黄分、自動車の排気ガスの亜硫酸ガスにも要注意です。 塩化は銀と塩素が反応して発生します。塩素系漂白剤や消毒液などを扱う際は、必ずシルバーアクセサリーを外してください。
また、ドライクリーニングに使われる塩素系有機溶剤も塩化の原因になりますので、ドライクリーニング直後の衣服とシルバーは近づけないようにしましょう。塩化銀は硫化銀よりも硬く、取り除くのが大変です。 使用後のアクセサリーは空気に触れないようにチャック付き袋などで保存しましょう。 変色防止剤などもありますが、完全には防げないので、普段からクロスでお手入れをすることが大切です。
おわりに
様々な加工で多彩な表現ができるのがシルバーアクセサリーの魅力です。大切なシルバーアクセサリーを長く愛用するために、そのアクセサリーにあった適切なお手入れをぜひしてみてください。ご購入の際にはケアの方法も確認するのもおすすめです。
The Ichiでは、ご自宅のお手入れでは難しい商品も、磨き直しや再度のいぶし加工なども承りますので、お気軽にご相談くださいね。