数珠の起源

数珠の起源

数珠の起源についてはさまざまな説がありますが、3500年以上前にできたバラモン教の聖典に「連珠」という記述があり、それが「念珠」すなわち数珠の原型になったという説が有力です。また、ヒンドゥー教の信者も、祈りの回数を数える際に数珠を使う習慣があったとされています。この習慣を釈迦が仏教に取り入れ、後に中国へと伝えられました。

日本への伝来

数珠の日本への伝来は、538年(552年説もあり)の百済からの仏教伝来とほぼ同じ時期とされています。数珠が文献に初めて登場するのは、天平19年(743年)の法隆寺の資材帳。また、正倉院には、聖徳太子の愛用品とされる蜻蛉玉(とんぼめ)金剛子の数珠や、聖武天皇の遺品である水晶と琥珀の数珠二連が現存しています。天平勝宝8年(756年)の聖武天皇による東大寺献物帳の一部に、念珠が「国家の珍宝」として献納されている記述があるとおり、金・銀・琥珀・真珠・水晶・真珠などの高価な材料を用いて作られた数珠は、国家の珍宝として献納され、船載品として非常に貴重なものとされていました。そのため、当時は、一部の僧侶や限られた貴族の間にしか使用されていなかったようです。

一般庶民への浸透

数珠が仏具として僧侶以外の一般庶民にも普及したのは、仏教が民衆化した平安末期~鎌倉時代以降のことです。それまでは国家や貴族のための儀式や研究に重きが置かれた仏教が、鎌倉時代に入ると民衆の救済のための存在という側面が大きくなり、「鎌倉仏教」と呼ばれる、在家の信者がふだんの生活の中で実践できるやさしい教えを説く宗派が次々と生まれました。それに伴って、数珠も宗派に合わせて使いやすく改良されていきました。現在の数珠も、ほとんどがこの時代に形成されたといわれています。

数珠の一般販売開始

江戸時代に入ると、仏教は国教として定められ、すべての国民がいずれかの寺に檀家として所属することになり、数珠の需要も急増しました。元禄年間(1688~1704年)には、数珠の一般の売買がはじめて公許され、数珠の解説書も登場しました。また、禅僧の間でのみ使用されていた片手念珠が、一般に普及するようになったのもこの頃です。

数珠の形状

数珠の珠の数は、人間の煩悩の数である108とするのが基本ですが、現在では4分の1の27玉、108にちなんで18玉などといろいろな形式があり、これらは「略式の数珠」といわれています。正式の数珠の形は宗派によって違いますが、一般に使われているのは、108個の主玉(おもだま)と、2個の親玉(おやだま)をつなぎ、その親玉に弟子玉(でしだま)と露玉(つゆだま)と房をつけます。主玉を108個並べる途中に、やや小さい玉を4個配し、これを四天玉と呼びます。この玉は、略式の数珠では2個なので、二天玉と呼びます。

宗派ごとの数珠の違い

真言宗

真言宗用の数珠は、弘法大師が唐から帰国のとき師の恵果阿闍梨に授けられといわれるものが基本形とされており、その形から振分け念珠とも呼ばれています。また、この数珠は広く普及し、真言宗以外の宗派でも使われているため、八宗用ともいわれます。寺院用として54玉で作られた、「半繰り念珠(はんくりねんじゅ)」もあります。在家用は、形がやや小型になり、房は菊房を用いるのが一般的です。

天台宗

天台宗で用いられているものは多くは、平玉(そろばんのような扁平の玉)です。主玉108個、親玉1個、四天玉4個で作られます。房は、片手に10個の丸玉、片手に平玉20個がつけられています。

浄土宗

浄土宗では、「日課数珠」と呼ばれる、2つの輪がつながっている独特の二連の数珠を用います。法然上人の門人、阿波之助が考案したといわれています。仏様を拝んだり、念仏を唱える際に欠かせない仏具です。この日課数珠には、108個の数珠10連を合わせて1080個とした「百萬遍大数珠」といわれるものもあります。装束念珠は、基本形がやや異なっていて、在家用としては、片手数珠が現在多く用いられます。

浄土真宗

基本の形は、浄土宗と同じで、寸法で決められています。浄土真宗では、称えた念仏の数にこだわらないため、玉の数に決まりはありません。浄土真宗の数珠は、中興の祖、蓮如(れんにょ)上人の考案になるもので、裏房の結び方がこの宗派独特のもので「蓮如結び」といわれています。形式は同じですが、「兼朝用」「布教用」といわれる特殊なものもあります。在家用のものも、基本的に同じで、このほかに一般的な片手念珠も用いられています。

日蓮宗

日蓮宗では、108個の玉による長連の数珠を用います。64個や27個などの短い数珠は使用しません。房に特徴があり、親珠から出る房の形が対称ではありません。数珠の房や「ぼんぼり」は左側に3つ、右側に2つあります。日蓮宗の数珠は、宗祖日蓮上人以来、華厳宗などの南都六宗で用いられている古い形式のものを使用していましたが、室町末期頃より現在の形のものも用いられるようになったといわれます。日蓮宗では、房仕立ての数珠は僧侶用で、信者はぼんぼりのものを用いるとされています。

禅宗

曹洞宗では、親玉・向玉・四天の間に主玉が18個ずつ通してあり、「百八環金」と呼ばれる金属の輪が通っていることが特徴です。房は、片方の親玉にのみ「ぼさ」とともに付きます。在家では、八宗用数珠、片手数珠が用いられています。臨済宗では、曹洞宗と似た形の数珠が用いられますが、こちらは金属の輪が入っていません。

ファッションとしての数珠

数珠には如意宝珠のような除災招福の神力があるとされ、持っているだけで魔除けになるという考えがあり、最近ではそうした護符的な側面を打ち出し、パワーストーンの一種としてファッション的に楽しむ腕輪念珠(腕珠)が登場しました。腕輪念珠(腕珠)は、数珠を小型化し中糸をゴムなどにして腕に着けられるようにしたブレスレットのような形状の数珠で、本来の仏事での使用には向きません。

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伝統意匠とアクセサリーの融合

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