和食の配膳のルール
漠然としたイメージはあるものの、和食の配膳のルールを改めて問われると不安になる方も多いのではないでしょうか。 ご家庭でも日本料理店においても、和食の基本的な配膳となるのが「一汁三菜」です。ご飯などの主食と一汁、メインの主菜に副菜と副々菜の組み合わせとなります。
配膳のルールとしては、左手前にご飯、右手前に汁物。右奥に主菜、左奥に副菜、中奥に副々菜を並べるのが正しく、お漬物はご飯と汁物の間に配します。
ご飯を左側とする理由は諸説ありますが、左側に重要なものを配置する「左上位」という考え方が有力。この考え方は、日本の飛鳥時代に中国から伝わり広まったとされています。稀にマイルールとして、ご飯と汁物を逆に配膳している方もいるようですが、日本においては好ましいものではありません。左右を逆にした配膳は仏壇へのお供えを意味しているからです。
自分一人だけならまだ良いかもしれませんが、他の人と和食を楽しむ時や人へ配膳をする場合には十分に心得ておくべきでしょう。
和食の配膳は基本的にお箸を右手に持つ、右利きであることを前提としています。それでは左利きの方はどうすれば良いのでしょう。食事の時だけお箸を右手に持つ、左手でお箸を持ったまま和食の配膳に慣れるなどの工夫が必要と言えます。
お箸のマナー
正しいお箸の持ち方は相手に好印象を与えるポイントの一つ。ただ、無造作にお箸を持ちあげてしまっては、その後の正しい持ち方もマイナスイメージ。お箸の持ちあげ方にも心配りをしたいものです。
お箸を持ち上げるマナーとして三つのステップを意識します。
1.右手(親指、人差し指、中指)で箸を上から持ちあげる
2.左手を箸の下に添えて、すくいあげる
3.右手に箸を持ちかえる
この三つのステップは、「箸は三手で持つ」という言葉を表したもの。
スムーズな流れで正しいお箸の持ち方へと繋げましょう。お箸を置く場合には、上記ステップを反対に行えば大丈夫です。 箸を使って人を指すことを指し箸と呼びマナー違反の一つにあたります。お椀を持つ時など、自分が意識していなくても指し箸の形になりやすいため注意が必要です。 お椀を持ちながらお箸を持ち上げる場合には、先にお椀を持ちその後からお箸を持ちあげます。 指し箸の他にも「きらい箸」と呼ばれるお箸のマナー違反、人に不快感を与えるお箸の使い方があるので代表的なものに触れておきましょう。
箸渡しは、食べ物を箸から箸へ渡すことで、火葬場のお骨拾いと同じ動作なので縁起が悪いとされています。一旦料理に箸をつけたものの、食べずに戻してしまう空箸。箸先についたものを舐めるねぶり箸などがマナー違反にあたります。
きらい箸は無意識に行っていることが多く、知らずにやっていたというケースもあるので注意が必要です。
▼▼▼きらい箸については下記のコラムもご参照ください。▼▼▼
実はタブー?!きちんと知りたいお箸のマナー。綺麗なお箸の使い方で好印象♪
間違いがちな和食マナー
「良かれと思っていた行為が実はマナー違反だった。」良くある話ですが和食においても同じようなケースがあります。ここでは、間違いがちな和食のマナーをお伝えしましょう。代表的なマナー違反が手皿です。左手を受け皿のように食べることで、汁が垂れたり、料理を落としたりすることをふせぐ行為ですね。
確かに目的は果たしているのですが、美しい動きとは言えません。このような場合には、小さな取り皿などに移すのが良いでしょう。
また、食事が終わった後に器を重ねるのも好ましいものではありません。日本料理店で使用されている器には繊細な作りの品が多いもの。器を重ねることで、かえって傷がついてしまうのです。
和室の基本的なマナー
補足的に和室における基本的なマナーについても触れておきましょう。和室では、床の間を背にした席が上座となり、出入り口に近いほど下座になります。また、座布団に座る時は、目上の方や招待をした人が勧めてから座るようにしましょう。
座布団を踏んだり跨いだりするのもマナー違反です。座り方は正座が基本。もちろん、正座のままでは足が痺れてしまいますので、乾杯の後などタイミングを見計らって足を崩します。