日本の箸文化はどのように根付いたのか?箸の起源とその歴史について紐解きます。

日本の食卓に欠かせない箸。その箸はいつ日本に入ってきてどのように文化として根付いたのでしょうか?お箸の歴史を知れば、もっと箸が好きになるかもしれません。

お箸の起源はいつどこで?

古代中国の遺構・殷墟で出土した青銅製のものが、現在のところ最も古いお箸と考えられています。もちろん、同じ時代に木や竹など植物性のお箸も存在した可能性もありますが、木や竹は腐りやすく、発掘したとしてもお箸なのかただの木切れなのかを判別するのは難しいと言えるでしょう。

中国では「快子」や「筷子」などお箸にあたる記述が幾つかあります。その中で箸という文字は戦国時代に現れました。見て分かるように文字には竹冠を使用しています。そのためこの時代には竹で作られたものがお箸として普及していたと言えるでしょう。

竹箸

中国では次第に厨房や屠畜場でしか使わない刃物を食卓上に持ち込まないという風潮が生まれました。これは「君子厨房に近寄らず」という孟子の格言によるもの。そのため、料理はあらかじめ厨房でひと口大に調理、食卓に出されるようになったのでお箸が普及していったと考えられます。

食材を切りそろえるために必要なのがまな板ですね。お箸を用いている文化圏とまな板を常用する文化圏が概ね一致するのも頷けるというものです。

当時、周辺国へ中国が与える影響力は強大でした。文化面においても同じく、また周辺地域の民族も中国・漢民族から野蛮人と見られたくないということもあり、お箸の文化が他国へと広がっていったのです。

日本での箸の歴史

私たちが日常的に使っているお箸。日本でのお箸の歴史はどのようなものなのでしょう。弥生時代末期の遺跡からは一本の竹を折り曲げたピンセット状の「折箸」が見つかっています。ただ、これは祭祀や儀式用の祭器として神に配膳するために使用していたと思われます。何しろ当時は、手掴みで食事をするのが一般的だったのですから。

神代の頃には既にお箸があったとする日本の「古事記」、邪馬台国(3世紀頃の日本)の人々は手で食べていたとする中国の「魏志倭人伝」、この時代的矛盾もお箸が祭器として使われていたとしたら矛盾も解消となりますね。

お箸を食事の際に用いるようになったのが飛鳥・奈良時代です。聖徳太子が箸食制度を朝廷内で採用したのが最初とされています。飛鳥・奈良時代は中国との交流が盛んな時代。607年に遣隋使であった小野妹子たちが箸と匙をセットと共に食事作法を持ち帰ります。

聖徳太子が朝廷に取り入れた食事作法は次第に民衆へと広がり、食事にお箸を使う文化が浸透していきました。

奈良時代には杉や桧製のお箸が使われていた形跡があり、鎌倉時代では器と共にお箸にも漆が塗られるようになります。江戸時代中期となると外食も盛んとなり、余った木材で割り箸も作られました。

割り箸

世界中で3割を占めるお箸の文化を持つ国々の中でも、日本は独特な歴史を持った国と言えるでしょう。それは、お箸のみを使って食事をする作法が確立されているのが日本だけだからです。

和食を召し上がる時を思い出してください。お椀に直接口をつけて汁を飲み、具はお箸を使って食べているはずです。お椀に直接口をというスタイルが容認されているのは日本だけ。お箸の文化はあっても他国で見かけることはまずありません。

また、自分専用のお箸というのも日本独自の特徴と言えるでしょう。もちろん、全てのご家庭がというわけではありませんが、お箸やお茶碗などに特定性を持つ文化を日本は持っているのです。

<番外編>世界で使われる箸

食卓風景

独自性のある箸文化を持つ日本ですが、箸文化を持つ他の国ではどのような使われ方をしているのかも気になるところ。簡単ではありますが使われ方をご紹介しますね。

中国では円柱型や四角柱型のお箸と陶製のレンゲ(散蓮華)の組み合わせがスタンダード。おかず類にお箸を使い、ご飯や汁類に散蓮華を用います。

韓国もおかず類にはお箸を使用、ご飯や汁ものはスプーンを使用。中国とは異なり、金属製のお箸が多いです。

麺食が多いことで有名なベトナム。お箸とスプーンの組み合わせにナイフを使う場合もあります。お箸は中国でも使われている四角柱型のものを使用。麺食のためか塗り箸の使用は好まれず、木製や樹脂製が使われています。

まとめ

ここまでお箸の起源や日本のお箸の歴史をお伝えしてきました。ところ変わればと言うものの、日本以外の箸文化の国々はお箸と匙(スプーン)のセットが基本形のようですね。日本が独自の箸文化の歴史を歩んできたのは、日本ならではの風土や人々の繋がりがあればこそと言えるのではないでしょうか。

新しいお箸を求める時、ここでお伝えしたことを思い出してくださいね。きっと、素敵なお箸に出会えるはずです。

参考URL

箸の歴史と文化

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