若狭塗箸の魅力。今知りたい!日本の伝統文化若狭塗
お箸でよく使われる若狭塗。若狭塗とはどういった塗り物なのでしょうか?若狭塗の歴史と特徴をご紹介します。

若狭塗とは?

若狭塗は、若狭湾付近を領地とする小浜藩(現在の福井県小浜市)で作られ始めた漆器です。 海底を表現した模様による高貴な輝きから、「宝石塗」と呼ばれることもありました。

約400年もの歴史を持ち、国内外で人気がある若狭塗。古くは、長崎県出島のオランダ商館医であったシーボルトも使っていたそうです。

若狭塗は、まず木地に漆を塗り重ね、その上に模様を付けていきます。

代表的なものは、卵の殻をちりばめた「卵殻模様」、あわび貝などを使った「貝殻模様」、松の葉や菜種で溝を作る「起こし模様」など。 そういった模様の上に色とりどりの漆を十数回塗り重ねた後、今度は石や炭を使って漆を丁寧に研いでいきます。 すると、漆の下に埋め込まれていた卵殻などの模様が浮かび上がるのです。

これは若狭塗の特徴である「研ぎ出し」と呼ばれる技法。同じ模様は一つとして作ることができません。 こんな風に手間暇かけて作られる若狭塗は、実は堅牢性にも優れています。 美術品として高い価値を持つ一方、丈夫な日用品としても有用な漆器です。 研ぎ出しのおかげで、水や熱による変化が少なく、長く使うことができました。

若狭塗のなかでも、塗箸は全国シェア80%以上を誇る製品です。

2007年のNHK連続テレビ小説『ちりとてちん』。貫地谷しほりさん演じるヒロインの父と祖父が若狭塗箸職人という設定で、若狭塗箸が改めて注目を集めました。

若狭塗箸の製造工程は60以上にのぼりますが、そのほぼ全てをたった1人の職人が手がけます。 分業は行わず、数か月から1年をかけて1人で制作するのです。 職人の個性が色濃く出るため、箸の模様を見れば職人がわかるともいわれています。

また、職人によって細く鋭く研がれた箸先は「鶴のくちばし」と呼ばれ、長寿祝いの贈り物として選ばれています。

若狭塗の歴史

 

江戸時代初めごろ、現在の福井県小浜市に住む豪商の組屋六郎左ェ衛門が、中国から、存星という技法で作られた漆塗盆を手に入れました。

それを当時の小浜藩主であった酒井忠勝に献上したところ、忠勝は、小浜藩の漆塗職人である松浦三十郎に、それに似せた漆器を制作させました。

何度か改良を重ね、美しい海底の模様を図案化した、菊塵塗(きくじんぬり)と呼ばれる漆器が完成。これが若狭塗の起源といわれています。

その後、松浦の弟子の西脇紋右衛門は、さざ波が打ち寄せる海辺を表現した磯草塗(いそくさぬり)を考案しました。 江戸時代中期には、現在の若狭塗のような、卵殻や金箔を使った技法が完成しました。 小浜藩主の酒井忠勝が「若狭塗」と命名し、足軽の内職として積極的に保護奨励したのです。 他藩への技術流出を防ぐ対策を打ち出すほど、忠勝は若狭塗をとても大切にしていました。

多くの名工が輩出し、菊水汐干(きくすいしおぼし)などの美しいデザインが生み出されたのも、この頃です。

江戸時代中期から後期にかけては若狭塗の最盛期。 小浜藩の中心的産業となり、「螺鈿」や「蒔絵」など現在まで続く200以上もの技法が確立しています。 この頃の若狭塗は、一部の公家や武家などの裕福な人々の調度品として使われました。 文久2年(1862年)、皇女和宮が14代将軍徳川家茂に降嫁する際も、選ばれたたんすは若狭塗のもの。 庶民が使うお椀のような生活用品はありませんでした。

明治11年(1878年)にはパリ万博に出品、その5年後には初めての海外輸出を行うなど、若狭塗の海外展開が進みます。

戦後まもなく、速乾性などを持つ化学塗料が開発され、塗箸の大量生産が可能に。 このころから、若狭塗箸は、国内で生産される塗箸のシェアを拡大していきます。

昭和53年(1978年)には国指定伝統的工芸品に指定されました。福井県の漆器では、越前漆器に続いて2件目の指定です。 平成20年(2008年)には、小浜市が「名前が同じである」という理由で、当時アメリカ大統領候補だったバラク・オバマ氏に、若狭塗箸を贈呈したことが話題に。

また、平成28年(2016年)の伊勢志摩サミットでは参加各国の首脳に記念品として贈られるなど、国際交流にも貢献しています。

まとめ

福井県小浜市で作られている若狭塗の、歴史の一端をご紹介しました。

最大の特徴である研ぎ出し技法は、華やかさと丈夫さを兼ね備えた漆器を生み出し、今日まで国内外での人気を集めています。

現代の若狭塗職人の皆さんも、私たちのライフスタイルに合った新しい製品を続々と発表中です。

今後の発展が楽しみな伝統工芸品ですね。まずは塗箸から揃えてみてはいかがでしょうか?

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