猫を多頭飼いしてる方もそうではない方もあると思います。 猫が邪魔で足が伸ばせない...!! なんてこと!容赦なくどかしちゃう時もあるんですが、何だかんだでどかせずに自分がどくなんてこともあります。
猫とこたつの歴史や童謡について
こたつの起源は室町時代
日本人にとって馴染み深いこたつの歴史は古く、その起源は室町時代まで遡ります。
最初のこたつは囲炉裏の火力を落として灰をかぶせ、すのこに短い脚をつけた台を上に置いて、布を被せたものでした。 これではちょっと油断すると火傷をしてしまい、とても猫は入れそうにありません。
江戸時代に登場したやぐらこたつ
江戸時代に入ると畳の一部を切り取り、下に炭火を入れて灰をかけ、その上にやぐらを組んで布団を被せた「やぐらこたつ」が登場します。
布団の入り口からやぐらまでの距離に余裕があるので、脚を伸ばすことができます。おそらくこの頃から猫がこたつに入るようになったと考えられています。
その後、こたつを作るたびにいちいち畳を切り取るのは面倒ということで、火鉢とやぐらが一体化した可動式こたつが登場します。
明治時代に普及した掘りこたつ
明治時代に入ると「掘りこたつ」が登場します。
掘りこたつを発明したのは意外にも日本人ではなく、イギリス人陶芸家バーナード・リーチと言われています。 彼は正座が苦手であり、脚を折らなくても入れるこたつを提案したのだとか。
ちなみにこの頃のこたつは炭が熱源であり、うっかり触ると火傷をしてしまう危険がありました。 猫が入るのにはちょっと不向きそうです。
電気こたつの普及は戦後
今日では当たり前の電気こたつが登場するのは戦後になってからです。
熱源は赤外線ランプヒーターと石英管ヒーターであり、これでやっと火傷の恐れなくこたつで暖をとることができるようになりました。 またやぐらこたつや掘りこたつに比べて、熱源である発熱体が小さいのも特徴で、人間だけでなく猫も快適にくつろげる構造になっています。
童謡に登場する猫とこたつ
こたつに入る猫は「雪やこんこ あられやこんこ」の歌いだしで知られる、童謡「雪」に登場します。
この雪が歌われるようになったのはなんと明治44年(1911年)、いまから100年以上も昔のことです。
文部省唱歌として「尋常小学唱歌」第二学年用に掲載され、全国の子どもたちが口ずさんでいたことでしょう。 この雪の一番はみんなご存知の「猫はこたつで丸くなる」で締めくくられています。
猫専用こたつについて
近頃は見かけなくなったこたつ
こたつに入ってみかんを食べて暖まる‥冬の風物詩です。 昭和の時代はどこの家庭にも1台あったこたつ、いつ頃姿を消したのでしょうか?
核家族が増えた、住宅事情が変わったなど、こたつを使わなくなった理由はいろいろでしょう。 確かにこたつは場所を取りますから、マンションなどの狭い住宅には不向きです。 人がこたつを使わなければ、猫がこたつに入ってくつろぐこともできません。 田舎ではいまもこたつを置いている家がありますが、都会の猫がこたつを目にすることはほとんどないのが実情なのです。
そこで登場したのが猫専用こたつ
猫とこたつは相性抜群です。
暗い・狭い。暖かいの三拍子揃い、猫にとってはパラダイスなのですから! そこでいま人気を集めているのが猫専用こたつです。 人が使わないならせめて猫用をというわけではないと思いますが、あるペット用品メーカーでは毎年数量限定で販売し、完売するそうです。
猫専用こたつはかわいらしくとってもコンパクト!
幅45cm、奥行き35cm、高さ30cmほどと、大きな猫が1匹入ったらいっぱいになってしまいます。 これなら部屋が狭くても設置場所を確保できそうです。 ただし多頭飼いのお宅では取り合いになるので、結局、猫の数だけこたつを買うはめになったりします。
また猫専用こたつは安全性に十分な配慮がなされています。 発熱体をカバーで覆い、放射熱で暖めることで熱が猫に直接当たらないように工夫されています。 さらに多くの製品では中心部の温度が30℃前後とかなり低めに設定されています。
これなら猫がこたつに潜って長時間出てこなくても、飼い主さんは安心して家事などをして過ごすことができそうです。
こたつやストーブなどの注意点
熱帯原産の猫はどちらかと言えば寒さが苦手です。
ストーブを出すとどかんと正面を占領するばかりか、びったりくつっいて動かない猫をよく見かけます。 実は猫は少し熱さに鈍感なところがあり、寒いからとストーブに近づきすぎてヒゲや被毛を焦がしてしまうことがあるのです。
対策としては人が居ないときはストーブの電源を切る、猫が近づきすぎないようにバリケードを設定するなどがあります。
こたつの場合はストーブほど高い熱は発生しませんが、猫が誤って発熱体に触れることで低温火傷を起こす恐れがあります。
低温火傷とは触っただけでは熱さを感じないくらいの温度に長時間触れることで起こる火傷のことで、皮膚の奥まで熱傷が及ぶこともありかなり危険です。 また体力がない子猫や温度に鈍感な老猫は、こたつに長時間入っていることで熱中症を引き起こす恐れがあります。
対策として人が居ないときはこたつの電源を切りましょう。 そもそも布団に覆われたこたつは熱が逃げにくいので、猫のためにこたつの電源を入れておくのはかえって逆効果なのです。
まとめ
猫が大好きなこたつの歴史は古く、その起源は室町時代まで遡ります。
江戸時代にはやぐらこたつが登場し、この頃から猫がこたつに入るようになったと考えられています。 またこたつは日本人なら誰もが知っているあの童謡にも登場します。 そんなこたつですが近頃めっきり見かけなくなりました。 そこでいま人気なのがかわいくてとっても小さく、しかも安全な猫専用こたつなのです!